国際保健
私が保健師学校で一番楽しみにしていた授業は、国際保健の授業であった。もともと青年海外協力隊に入りたかった私は、保健の分野でも特に国際保健に興味があったのだ。保健師学校を選ぶ際、地方の私立の保健師学校で国際保健学科のある学校があり、そこを受験しようかと思ったほどであったのだ。結局遠いのと私立でお金がかかるのとで断念したが。
私たちの学校のこの国際保健の授業は、実際に国際的に活躍している有名な先生が教えに来てくれた。この先生は実際に国際的に活躍しているだけあって、先生の話を聞いているだけでもとても面白かった。この先生に限らず、私たちに教えてくれた色々な先生方のお陰で、私はどれだけこの1年間で世界を広い目で見られるようになったことか。私はこの国際保健の先生のお蔭で、将来国連で働いてみたい、なんていう大それた野望をもつほどであった(いまだに実現していないが^^;)。
話はちょっとそれるが、国際保健におおいに興味をもった私は、大学院で国際保健を学べるところをちょっと探してみた。どうやらその当時では、国際保健を専攻できる大学院はまだ少なかった(多分)。しかも私立大学の大学院だと学費がめちゃめちゃ高くなってしまうので、実際通うとなるとできれば国立がいい(図々しいかもしれないが)。
私が住んでいる近くで、国立の国際保健が学べる大学院というと、たしか東大の大学院くらいだった。いつか東大の大学院で学ぶのも面白いかも・・・なんて図々しくも考えた私。するとちょうどいい具合に、同じクラスの友人の看護学校時代の恩師がちょうどその時、東大の大学院で学んでいるという(もちろん看護だが、詳しい専門はなんだか忘れた)。さっそくその人と会う機会をもうけてもらった。
その先生の話を聞いたら、国際保健の授業はほとんどが英語だという。そして国際保健を学んでいる人たちは、看護師だけではなく、色々な分野の人がいるのだという。色々な分野の人がいるので、当然視野も広がるし、とても楽しそうだということ。
その話を聞き、当時の私はとても刺激を受けた。世の中には自分の目標に向かってがんばっている人がたくさんいて(その先生も含めて)、そういう人はとても輝いているような気がした。そして、そういう人は魅力的で周りの人に刺激を与え、やる気も起こさせてくれる。
今思えば、保健師学校時代の私は、いつもそのような人たちから日々刺激を受けていたように思う。だからあの頃はあんなに楽しくて、毎日が輝いていたような気がするのだ。そして思う。私もそのように魅力的で、まわりの人にやる気や元気を与えられるような人になりたいと。
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