教育実習後日談:たび猫の保健師学校の思い出

教育実習後日談

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養護教諭の実習が終わってからも、私は本当にあの子どもたちに会いたくて仕方なかった。でも用もないのに学校に遊びに行くのは気が引ける。きっと子どもたちは、私のことなんてすぐに忘れてしまうんだろうなー、なんて寂しく思ったりした。

 

そして実習が終わって数ヵ月後、もう看護師として就職してからのことだった。看護師として就職してからの私は、毎日が悪夢のようだった(詳しくは、私の『看護師のお仕事!』をご覧ください)。そして本当に身体的にも精神的にもほとほと疲れてしまったある日の休日、どうしても我慢できなくなり一度だけ実習先の小学校に子どもたちの顔を見に行ったことがあった。

 

新学期になり学年は変わっていたが、保健室に遊びに行った私を見つけると、多くの子どもがすぐに私と気づいてくれ、私に駆け寄ってきてくれた。あの時、どれだけ子どもたちの無邪気さや笑顔に救われたことか・・・。

 

看護師として就職し、毎日が辛くて怒られる日々。「私なんてもうこの世にいないほうがいいんではないか・・・」と本気で思っていたあの頃、ほんのつかの間だったけど、子どもたちから元気をもらえた。「ああ、これでまたしばらくがんばれるかも・・・」とそう思い、帰っていった。

 

そしてその頃、また別のある休日の日の午後、私の家の近くにある公園で夫(その頃はまだ夫ではなかったが)と一緒に遊んでいると、遠くの方から「せんせ〜い・・・!」というかわいい声が聞こえた気がした。

 

気のせいだろうと思っていたら、どうやら気のせいではないらしい。やっぱり“先生”と呼ぶ声がする。周りを見回してみると、ちょっと離れたところから満面の笑顔で手を振っている小学生の女の子がいるではないか!!なんとその子は教育実習に行った時に仲良くなった女の子であったのだ。

 

私が実習に行ったのは1月のこと。再会したのはたしか6月頃のことだ。たまたま親戚の家が私の家の近くだったらしく、この公園に遊びに来ていたとのこと。この思わぬ再会にびっくりするとともに、私のことを覚えていてくれたことや女の子の変わらぬ人懐こさが本当にいとおしかった。精神的に傷ついていた頃の私にとって、この笑顔や無邪気さはどれだけ癒しになったかわからない。

 

こうして看護師になったばかりの私は、数ヶ月前に終えたはずの教育実習で出会った子どもたちの笑顔や無邪気さに助けられたのであった。

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