たび猫、授業を受け持つ:たび猫の保健師学校の思い出

たび猫、授業を受け持つ

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さて、実習中の山場、授業についてである。事前に養護教諭の先生と話し合い、どんな内容で授業をするか考えた。内容は何をやってもいいと言う。一般的な健康のことから性教育まで保健の授業には色々ある。さて、一体何をテーマに授業をしようか。

 

生涯これが最初で最後の授業かもしれない。だったら楽しい授業にしたかった。ただ単に知識をしゃべるだけの授業ではつまらないと思い、何か印象に残るものにしようと思った。そして以前ふと人から聞いた授業のネタを思い出したのだ。手洗いの実験というものがあるということを。

 

それは、最初にでんぷんでできた溶液に両手を浸し、その後生徒たちに手洗いをさせる。手洗いをした後ヨウ素液につけると、きちんとでんぷんの溶液が落ちていなかったところが紫色に変色し、自分の手洗いのやり方を評価できるというものだった。

 

私が実習に行ったのは1月で、風邪やインフルエンザが流行る時期だ。手洗い・うがいを励行しているこの時期にはぴったりではないかということで、その実験を授業で行なうことで先生もOKも出してくれた。

 

授業の準備はけっこう大変だった。なにしろ私は素人なので、50分の授業をきちんと時間配分するところから考えなければならなかった。事前に台本みたいなものを作り、話と実験とその結論を時間配分した。早く終りすぎてもいけないし、時間オーバーしてもいけないのだ。

 

それに実験に使う物品も色々用意しなければならない。子どもたちが全員実験に参加できるようにグループ分けも適切に行なわなければならない。こういうことをやってみて、初めて学校の先生たちの苦労を思い知った。先生方も長年やっているうちに慣れてきて少しは楽になるのだろうが、こんなに大変な思いをしているとは知らなかった。

 

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