保健室の先生^^:たび猫の保健師学校の思い出

保健室の先生^^

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養護教諭とは、いわゆる保健室の先生だ。子どもの頃のことを思い返せば、みんな保健室の先生にお世話になった記憶はあるのではないだろうか。私はどちらかというとお世話になったほうだと思う。小学校の頃などは、用がなくても休み時間など保健室に遊びに行っていたし、高校生の頃にも、保健室の女の先生はとてもきれいでやさしくて話のわかる人だったので、生徒たちのたまり場みたいなところだったのだ。

 

どちらかというと、保健室の先生と言うと、優しくて物分りがよくて、反抗期で担任の先生に言えないことなども相談できる、というイメージがないだろうか。少なくとも私はそういうイメージをもっていた。

 

そして実習に行ってみて、それはけっこう当たっていたような気がした。私が実習に行った先の小学校の養護教諭の先生も、若くてかわいくて元気が溢れていて、生徒たちにとってお姉さん的存在の先生だったのだ(もちろん若くない先生もいるだろうが、生徒たちにとってちょっと特別な存在だったりする)。

 

休み時間になると、たくさんの生徒が保健室に遊びにきた。特に私が実習にきている間は、生徒たちも物珍しさもあり、保健室に私がいると私にじゃれてきたり質問攻めをしたり、大騒ぎの状態であった。

 

 

ただ単に遊びに来る子、けがをした・頭が痛いなどと症状を訴えてくる子もいたが、多くは先生とのコミュニケーションを持ちたい(先生に甘えたい)と思われる子どもたちが多かったように思う。そしてそんな子どもたちが、私にはとてもかわいらしく、いとおしく思えたのだ。ふだん小学生くらいの子どもたちと接する機会がほとんどない私にとって、これは大きな発見だった。

 

高学年ともなると、男女ともに背丈も大きくなり、だいぶ大人っぽくなる。1年生の子どもたちにくらべると、明らかに違う。反応ももちろん違い、高学年の子はクールだ。

 

でもそんな高学年の子どもの中でも、ちょっとつっぱっているような男の子が、休み時間に「頭が痛い」などとぶつぶつ言って保健室に来て私に甘えるような態度をとる。普段と違う態度のその子を見て、「ああ、この子も普段はつっぱっているけど、まだまだ大人に甘えたいかわいい一人のこどもなんだな」ってつくづく感じた。

 

本物の養護教諭の先生は、もちろん生徒たちと話をして遊んでいるだけのお気楽な仕事ばかりでなく、やっぱり苦労の多い、大変な仕事である。でも、私は実習生だったので、生徒たちとのコミュニケーションを思う存分とらせてもらい、看護や保健師の実習とはまったく違う、感動の3週間を過ごさせてもらったのであった。

 

実習に行ってみて思ったのは、実習に行く前の保健室の先生に対する私のイメージは、ある程度当たっていたと言っていいのかもしれないということだった。保健室は生徒たちにとって、ある種の逃げ場のような役割も持っていたのだ。担任の先生などには言えないことも、ちょっと距離のある養護教諭の先生になら言えることもある。先生というとちょっとかしこまって近づきにくい存在のところがあるかもしれないが、保健の先生というと、生徒たちにとって少し身近な存在になるのかもしれない。保健室の先生は、生徒たちにとってガス抜きみたいな役割を持っているのだろう。

 

昨今、子どもたちの教育現場では色々な問題が起きている。学校で事件が起きることも多くなっているし、家庭環境もより複雑になりつつある今、子どもたちの心のケアも重要視されていると思う。今後養護教諭の役割はますます大きくなるのではないかと、ふとニュースなどを見ていて思う今日この頃である。

 

養護教諭の実習では、もちろん養護教諭の先生の仕事の中身も知ることができ、楽しくてお気楽なだけでなく、かなり苦労の多い仕事だということも知った。実習にいくまで、養護教諭になることなんてまったく考えていなかった私だが、子どもたちと過ごした3週間が、あまりにも実り多いものだったので、実習を終えた後は本当に将来養護教諭になるのもいいかもしれないと考えたほどであったのだ。

 

こうして私は教育実習中の多くの時間を保健室で過ごし、実習に行く前には想像もできなかった生徒たちとの楽しい時間を持つことができたのだった。

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